高畑耕治の詩


お月さまとセミとわたし



こんな夜になっても鳴いているのか
お月さまのひかりの音
溶かし溶けこみ
木の葉のかげから幹から
夜空はるかへ
鳴いてる

セミだった気がする
セミになれる気がする
月のひかりに溶けてしまえる気がする

お月さまのひかりとセミとわたし
鳴かずにいられない
いま

鳴いてる




* ルビ 音: ね。木の葉: このは。



「 お月さまとセミとわたし 」( 了 )

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