高畑耕治の詩


るりの、海と空とアゲハと




アオスジアゲハの羽根
ゆらめく水平線
あおみどり透きとおる
海の波
みずいろお空に浮かび
遥かへわたる舟
音楽の妖精
音符の容姿で舞いあがり
るりいろの愛しみ奏でながら
海のるりお空のるりに
溶けちゃった

( あなたにとっても見せたかった
 あのアゲハの
 夢まぼろしの飛翔 )

飛べないわたしも抱いていたいな
アオスジアゲハこころだけには
海と空の交わりの彼方へ
導いてくれるあの美しい
るりいろのうた

「 あんまり悲しいときには
 くちずさむの

 わたし てふてふ
 てふてふ わたし
     てふ
   てふ
 てふ

 ほんのちょっびりだけど
 浮かべるわ 」

あなたのことば思い出し

今日はなんだかとても
意味もなく悲しく沈んでしまうから
つぶやいてみる

 わたし てふてふ
 てふてふ わたし
     てふ
   てふ
 てふ

少しもからだ浮かんではくれません

美しいてふてふへの
憧れと
あなたの面影ばかり
ふくらませそっとこころに
浮かべたら
ちょっぴりわたしも
浮かんだ
気がした

ずっとずうっととおい遥かな昔

アオスジアゲハのあなたとふたり
るりのお空るりの海辺の
お花畑で交わりあったあの
しあわせの記憶

思い出したよ

なぜか
ふっと
浮かんだ

飛べたよ




* ルビ 愛しみ: かなしみ



「 るりの、海と空とアゲハと 」( 了 )

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