高畑耕治の詩


花の精



さくらまたあなたに会えるなんて
まだ会えるなんて
おもいもしませんでした

花を恋い裾野から頂へ高みへ
山脈さまよう
精のあるという

花を追い北へ北へとさすらう
精のあるという

焦がれるままさくらあなたと
遠くへゆきたい

あなたと向かう北の
山の
あおくかすむ頂に
まだ残るという
冠雪

白雪の花

残雪の
はかなさに
さくらあなたと
咲かせてください

永遠かおらせる
精のあるという

春のひかりに溶け
透きとおり
遥けさへ
ゆきたい

さくらあなたと




* ルビ 山脈: やまなみ。白雪: しらゆき。

「 花の精 」( 了 )

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