高畑耕治の詩


好き、ありがと



梢の小鳥のくりかえす声
好き好き好き好き好き好き
聞こえてしまうどうしても
あなたおもうわたしの
こころの鼓膜のひずみ
きっとそのせい

なんにもない疲れたくりかえしまた
ふやしたばかりの一日
空のあおと思いうかべた
海のあおとあなたの
かすむ表情だけは
優しくきれいでした

あなたの名を呼ぶのが好き
あなたの名を呼んでしまうわたしは
好き

笑ってる
笑おうとする
笑いたいとねがい
でもほんとはいま
笑えないあなたの
愛しい声が
好き

ありがと
こんな日にもこころ
好きといえました




* ルビ 愛しい: かなしい

「 好き、ありがと 」( 了 )

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