高畑耕治の詩


貝のうた



砂つぶとさざ波の
くりかえすくちづけ
まぶしい


こんなにぎやかな砂浜
散らばる小さな石
海水浴の客寄せ
バラマキ貝殻破片ばかりと
思い込んでた

潮満ちて
寄せくる波のあわだち
ふれるとふいに
閉ざしてた殻ひらき
ぬるゆらくねりもぐり
ぬれた砂に埋まる


生きている
ひそやかに
みずみずしく

この星まるく
つつんでいる
海の
美しいくちびる
息している
なぎさで




「 貝のうた 」( 了 )

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