殻を脱ぐため コンクリート歩道の階段 懸命に登ろうと せみ 行き交うひとに いつものぼくのように 踏み潰されるから のせて運んだ手のひら いまは空 太い幹の根元の土から かたい樹皮さぐりあて 登り始め 登りきり時満ちて 殻破り過去 脱ぎ捨て 飛び 舞い 歌う 愛 せつなく 運命のせみと いのち交え 未来やどし 死ぬ いのち、夏 ぼくも生きたい
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