高畑耕治の詩


さくら、さようなら



   


たえまなくふりやまない
はなびらのあわゆき

かぜのいぶきに
ささめきあう
さくらはらはらさらさらさくら
さくらさらさらはらはらなみだ

 ( さくらなぜなくのですか )

さくらはなびらふりしきる

 ( あわゆきこいしく
  なくのですか )

さくらわたゆきふりつもる

 ( あなたのゆめに
  うもれたい )

さようなら
 さようなら

 ( おわかれですか もう
  あえないの? )

さようなら
 さようなら

 ( ひかりにあなたととけゆきたい )

さようなら
 さようなら

 ( さようならさくらさようなら )



   


かなしみの旋律
さようならの調べに
さくらはなびら
舞いのぼり ほら
うさぎさんだいて
夕空に
うっすら

やがておとずれる闇にも
かがやきまして
うかび
うたうのです

さくらはなびらさようなら
さくらのなみだ
散って夜空に
さくら月
咲くら らら
さくららら



   


さくらあなたの
さようならした梢には
葉むらやわらかなうぶ声

伸びやかなさえずり
若やかなきみどり

もう
子どもいろまぶしい
季節



  こんにちは


花は散りこぶしも枝さきに
母のおもかげやどす
若葉咲きそめ





「 さくら、さようなら 」( 了 )

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