高畑耕治の詩


人魚のうた



疲れることばかり悲しいことばかり苦しいことばかり
こころ痛むことばかり嘆きばかり重すぎてもう
ふかくどこまでも沈んでゆきながら

たいせつなひととの 愛おしい時ばかり
むねに灯り ふくらみはじめます と

そこへ泳いでゆくのです ゆきましょう
遥かな美しい人魚のうた
なみのまにまに

ひきよせられるまま浮かび沈み
あこがれ

泳いでゆくのです
愛しい時へ
あなたへ




* ルビ 愛しい: かなしい



「 人魚のうた 」( 了 )

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