高畑耕治の詩


星まつり、恋うた



  ろくでなし恋うた


ろくでなしでありました
恋うたばかり

きれいなひと 見つめてしまう
やわらかな微笑みの花びら
見つめていたい
いつも 恋して

家のならびの幼なじみ
みいちゃん なんで自殺
保育園の初恋の
ゆきちゃん 行方わからない
憧れ見あげた黒髪の
さゆり先生 ああ事故で
小中学校 友だち思いの優しい
さっちゃん 癌なんて

大好きなひと 死んでゆく
一輪いちりん 瞳とじ

くちずさんでばかりいた なっちんの
くちびる 初めての
くちづけのうた

つないだこころ
手紙の言葉で引き裂いた
謝れないままずっと えみ
ごめん

暮らして壊した窓ガラス なおちゃん
疼く傷疼く 砕け散らばる痛みの破片

崩れるままに
ぼろぼろぼろぼろぼろぼろの
底の底まで男と女 落ちました
砂噛みじゃりざら
からから砂漠 涙涸れ
ひいひいはあはあ 泣きました

思い出すのは
さよならの花
流れる花びら離れてく
せらせらはららせらはらら
散りぢり ちりり
流れ去り

忘れてたまるか
死んでも 
  ( 死ぬけど )
忘れない
かおもからだもこえもこころも
  ( 好きです いまも )

恋の鎮魂うたうばかり
  ( 悲しい いつも )

ろくでなしではありました


「 星まつり、恋うた ・ろくでなし恋うた 」( 了 )

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