高畑耕治の詩


花の空、ねがいごと

あんまり暑くて川岸ふらふら歩いています
と 言葉のかげろう
たちのぼり

せせらぎに魚の影
遥か遠く三角の

  あおい富士 ふなゆらゆら水透きとおる


ふりかえると河口に
風車みっつ
回しているよ 見えない風の手
かざぐるま
音のない

  調べ奏で風きみどり 夏の田香る

道ばた野の花 ちょうちょのお羽根
翔けあがり咲く 鷺の羽毛も
遠く高く ちぎれ雲も
もん白ちょう

澄み渡るあお
空の海
乳房のまるみ優しい
あの流線形は
白いるか雲

ときめき焦がれる夏
赤らみ染まる空
憧れ燃えて

  線香花火 あわい初恋ひとみに灯り

ふくらみとろけ
うるむ夕陽
ひとみ星
水平線に溶けちゃった

ひとりで海に落っこちた星
汀で見つけた
ひとで星
ほらあんなに高く
紫ふかい夜空にいま
赤く

色鮮やかに輝け 花火
しぶき花
咲きこぼれ
散りゆく滴

地平線へ
 水平線へ
    滴り
( 流れ星 )
     沁み入り
( どうか恋 )
    あ
( かないますように )

      消えちゃった
( 言えました )


「 花の空、ねがいごと 」( 了 )

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