高畑耕治の詩


こころ絵ほん(ろく)


秋色、絵の具


   

季節のあわいはどんな色?
夏色秋色ころもがえ

雨の日ひまわり
黄色い太陽うつむき
みんな泣いていました
ぽとりぽと
滴のかたち 種のかお
なんだか麦わら帽子色
思い出の夏にじんでた

涙のかたちのお魚たち今
泡ぷくり
波にしぶくよ からだ踊らせ
水平線まで青く白く

金色の海いちめんに
稲穂の首のきりんさん
お米はお魚りゅうせんけい
豊かなこがね
揺れる波間に顔浮かべてる
まっ白きりん? ああ
舞いあがったよ
さぎ草にりん
寄り添う翼
はあぷを奏で白く青く
空たかく
ふれあう羽毛
風のふるうと
淡い雲に
ふるえる愛の
はあもにい



   

ドングリくりくり ぼくも栗
イガイガないけどぷっくりですけど
ぼくも栗

裸の枝ほら つややかぶらんこ
あま柿しぶ柿だえんけい

黄色の扇ふりしきり
こころ染めます
ころくるギンナンさくらんぼ
匂いのいたずらへんてこりん



   

ちょうちょひらはら風に咲き
描いてくれます
遥かとおく かすんだ景色
なつかしい こころ絵ほん
ちょうちょがお花になったよ あの日
お花がちょうちょになったね あの日
教えて教えて
ほんとはどっち?

ふくらはぎかゆっ
くすぐるの誰?
エノコログサだよ猫じゃらし
にゃおんみゃおん

とんぼ昔は草でした
羽根は緑に萌えていました
風に恋する想いのままに透きとおり
葉脈ばかり残ってます
夕焼け沁みて
赤とんぼ ふるふるる
綿あめうすくお空にひいて
しおからとんぼ ふるるるる

小さくたって羽根すりあわせ
鈴鳴らそ りりらりり
すすき揺らして
くすぐろ まあるい
お月さま
おだんごみたい
お願いくすくす笑ってね



   こだま

こころの紅葉 どうか色づきますように
こころのお花 うまく彩れますように
こころ絵の具で 祈ります


「 秋色、絵の具 」( 了 )

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