高畑耕治の詩


くりのまり こねこのまり


手まりあそびのおんなの子
まりがはずんでころころろ
ひろいあげたらまんまえに
赤いずきんのおじぞうさん
まるいくりをもってます

こんにちはおじぞうさん、どうしてくりをもってるの?
こんにちはおじょうさん、手まりあそびをしているよ
おじぞうさん、だれがくれたのくりのまり?
おじょうさん、さびしいかなしいくるしいひとだよ
おじぞうさん、どんなひと?
おじょうさん、手まりのようにこころのまるいやさしいひとだよ
おじぞうさん、くりのとげはいたくないの?
おじょうさん、まりもみたいにやわらかなんだよ
おじぞうさん、どうしてくりはくりくりしてるの?
おじょうさん、くりだからだよ
ふうん、いっしょに手まりしよ
おんなの子 手まりしながらうたうには

くりくりまりまり くるくるまりまり
まんまる手まりはくりくりくりのおともだち
くりくりまるまる くるくるまりまり
くるくるくりはまんまる手まりのおともだち
くりくりまりまり
くりも手まりもまんまるまりものおともだち

まるいこねこがいたずらしましたくりのまり
ころころころがし
ころころのどをならします
まあるくなってころがって
おおきなくりのまりみたい
でんぐりがえりでころころろ

手まりみたいに赤いほっぺのおんなの子
おかあさんの手をにぎり
おうちにかえってもうねむるころ
夕陽もまんまる赤いまり

たのしかったね、おじぞうさん
じょうずだったよ、おじょうさん
おじぞうさん、くりはどこへいったの?
おじょうさん、こねこがたべてくれるんだよ
おじぞうさん、おやすみなさい
おじょうさん、おやすみ、くりごはんをおたべ

ねむくなったねおんなの子
おかあさんのひざのうえ
ねんねんころころ おやすみなさい くりのまり
おじぞうさんのひざもとで こねこもぐっすり
ねんねんすやすや 月のひかりにふくらんだ
まあるいゆめのまりあそび


「 くりのまり こねこのまり 」( 了 )

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