高畑耕治の詩


 きりんさん に


こころいっぱい
   からだいっぱい


動物園へ遠足に行った子供が昨日
きみに会ったんだね きりんさん
うれしそうに絵を見せてくれたよ
長い首 長いまつげがなつかしかった

きみは高い梢の木の葉にくちづけながら
木漏れ日を浴び青空のむこうに
何をみつめているんだろう
来たくてここに来たんじゃないのに
どうしてそんなに優しい目なの

昨夜きみを思って歩いていたら
なぜだかぼくは見あげていたんだ
うつむいてばかりで忘れてた
星が瞬く夜空を
きみの瞳に愛(かな)しく光ってるのは
遠い草原の星空なの

きりんさん もう一度ぼくも
素直な思い
素朴な願いを
きみのようにみつめていたい
こころいっぱい
からだいっぱい
いのちいっぱい愛して
草原を
星空をみつけたい

遥か遠くで遠い昔に瞬いた星のひかりが
今この星を訪れてくれるように
大好きなきみを絵に描いたら子供は
こころにきみの星を抱くんだね
好きだって思いは 星になる

きりんさん きみの長い首で
星空とこの地を結んでおくれ
やすらかに眠る子供の夢を
草原の星空へ運んでおくれ
ぼくたちのふるさと
星空で会おうね


「 こころいっぱい からだいっぱい 」( 了 )

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