高畑耕治の詩


花身(かしん)




  人身


ひどいやつら
民族だけの神かみカミ

善か

独善、斜視すれば横顔
地と天の
あらゆるところ

悪か




  花しん



ゆるされて野

めざめれば
咲いておりました、ずっと
ずうっと遠いとおいあの
しあわせな

わたしもあなた、大切なあなたと
香りかわす
水面に揺らめき移ろう
花、の姿で
あれました。なつかしい

焦がれ憧れ見あげれば
海と空
彼方に


知っていますか
いますね、ヒト科ケダモノ属
ですもの
生きものは疲れます、花もまた
生きておりましたから
生きておりますなら

けれども
神さまさえも
花でありました

遥けさ。

愛する花
野の花、いちりんいちりん
殺さず
愛してくださる
空の
海の
花。愛おしい

とおい。そう
あれた日
散って、花びら
あるかあらぬか


影、追えば

このイタズラのときにさえ
生きている、
花を。

どこにか、あなた
知りませんか




※読み 花身: カシン、花心、花神、とも。



「 花身(かしん) 」( 了 )

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