高畑耕治の詩


黄の花と蝶のための楽譜




  ド


花にとまり
蝶ちょ

閉じた詩集
羽しずかに
開くと




  レ



菜の花畑
夕陽
ちりばめられ
地平線へ
輝きの


まばゆさの果て
ゆらめきの
水平線へ

黄の黄の
黄の

花 花




  ミ



菜の
花から
花へ
微風

夕陽から
舞いおり
りんぷん
まぶし香らせ
まどう
光の
紋黄蝶

微かな羽
花から
花へ




  ファ



菜の花の黄はいつまでもこの日
悲しみの色




  ソ



黄と黄はもつれあい交わりあい
光り舞いあがり
ひるがえり




  ラ



かげり舞いおりうすれ
落ちきるまぎわ
夕陽の残光もろとも
どこへともなく
溶け果て
消えて




  シ



ゆきました




  ド



開いた詩集の
羽しずかに
閉じると

こころに
蝶ちょ

黄の
花と
光と




※読み 微風: そよかぜ



「 黄の花と蝶のための楽譜 」( 了 )

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