高畑耕治の詩


星座ソナタ



 第一楽章


詩の暗喩は密やかな愛

かたく
閉ざされたつぼみ
花の喪われた
未来をも

解き放たずにはいない
運命の
出会い

この宇宙に
いちどだけそっと
授けられ、香る
いのち愛しい

ささやき

結ばれた星座の
かそやかな
ひかりの
かたち

宿命として




 第二楽章



醜いミニクイミニクイ
おのれもナニモカモ
睨みつけずにイラレナイこの
イカレタ世この
イマにさえ

なぜなのだろ
不思議すぎるほど

美しい
優しい
微かに香りたつ
とおい、遥かな


あふれ
はじめ

しずかな
あたらしい
滴、しずく


うぶごえ
天球の川たわませ
泡立ち
生まれずにはいない

なぜなのだろ
呪いは祈りのあがき

燃えつきるまで
キレイ、星のカケラ
クズくず涙
流星群

散り果て宇宙の闇にトワに
エコーする

みえなくとも
愛したひとの
音楽を

星座する




 第三楽章



ちっぽけな小さな惑星
青空夜空汚し地
覆い尽くす
血と悲しみ
飛び交う愚かな
殺戮兵器
もう
消して

かそやかな音色
織りなす光の
毛糸
結ばれるひかり
やわらかな
あやとり

星座の旋律のオーロラ

奏でられ
つづけますように
いつまでも
夜空

暁色の涙に染めあげて




※読み 愛しい: かなしい。汚し: けがし。
音色: ねいろ。暁色: あかとき(古代の読み)いろ。



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