高畑耕治の詩


祝詞・悲歌 《ジュソ・キトウ》




ムゴク悲しいこの世と
オモイシレ、オモイシレ、オモイシレと
ヒトを鞭打つ
カミサマ、アクマサマ消えろ

ヒトと生まれ
アンタナンカ比べようもなく
愛おしく大切な
ひとりきりの
ヒトを
カミ、アクマ、ワガママで
殺し奪うな

カミサマ、アクマサマ
ムゴさの極みのオマエ
全能のオマエ
痛い
悲しい
苦しい
ヒトの
この
言葉聞く気ないなら
もう消えろ

祈るヒト
アザケルナ、トボケルナ、無視するな
カミサマなら、アクマサマなら
聞けよデキヌナラ早よ消えろ

オマエなくともわたし

野に咲く小さな
花と
滴の、涙し
いのち
想いつづけ
つらくても
生きて
逝く

カミサマ、アクマサマならせめて
悲しみの祈りにみあうほど
澄み透きとおり凍りつく
悼みの
悔みの
弔いの


セメテ
星空に
シメセヨ

タスケテ、タスケテ、助けて
誰にも知られず
埋もれ
気づかれない
やりきれない
弱い生きものの
叫び
呪い
祈り

カミ
アクマ
強く鈍く醜いオマエ
ドウカ
救い
カナエヨ




※読み 祝詞・悲歌: のりと・ひか。ジュソ: 呪詛。
    キトウ: 祈祷。



「 祝詞・悲歌 《ジュソ・キトウ》 」( 了 )

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