高畑耕治の詩


月光雪




老いて
瞳つぶら
まぶたうすく
透きとおり
幼子に
笑み

消えてゆくときにだけ
聴きとれるという
澄んでゆき
姿ない
雪の


醜くなるばかり
のはずの
老いの
闇夜の
あわい

雪綿も凍り澄み
月光愛しく
美しく
惑う




※読み 月光雪: げっこうせつ。愛しく: かなしく。女: ひと。



「 月光雪(げっこうせつ) 」( 了 )

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