高畑耕治の詩


かすみ草




ねがうとおりにいかず別れて
しまうことしか、できなかった
忘れられるはずのない
痛み
悲しみだけをせめてもの
ゆるしと、言い聞かせ
死ぬまで

死んでも永遠に
ゆるされず
あえないの
だけれど

眠り薬がほしい
星も月もなんにも ない
あなた美しい
肉体の花こころの


遠く霞み
みえない
夜には

雨雲のむこう
黒ぐろ
時の
病みの
空には

いまも瞬き
ふたり好き
だった
星、星。星
の。雪

かすみ草





「 かすみ草 」( 了 )

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