浜辺で
波に惹かれ
瞬間
手にしていた
パン
トビに奪われた
気をつけて
気づけず
一瞬
いのち奪われる
魚の気持ち
いましる
生き延び
食べつづけてきたわたしは
捕らわれたいのちの
結晶体
奪ったいのちに
いのち結ぶ
生きもの
わたしもトビ
わたしは魚
愛しさ、慈しみ、嘆きを
この身に
魚肉獣肉鳥肉草肉に
魚心獣心鳥心草心樹心花心に、
いのり奪われるまで
生きる
岸壁には名まえしらず、
まばゆい青
ムラサキの
花
絶えまなく
輝きのかたち変えつづける、あの
波のきらめき
光の花で
あれたなら、
だれに届きもしない
白い泡立ちの
ねがいごと、この
青空舞い飛ぶ
トビと
潮騒、
水平線に