灯りに引き寄せられ
人工建造物の迷路に
踏み迷い落ちあおむけのセミ
もういちど
飛びあがれ
あの空あの樹木へと
差しのべ振りあげたこの
手のひら
苦しみ加えるばかりの
残酷
ふたたびなんども
灯りに吸い寄せられ
さんざんぶつかり
のがれるすべなく
力尽き
死
いっぴきなりの
それも
生
やみくもに
迷い飛び
果て
生かされ生きた
生きる生きものなりの
美
恋い願うあがきの
詩
生もの生きものあるがまま
生々しくなやましく生きる