高畑耕治の詩


花だけを




花だけを
花びらだけを
できるだけ白く真白に
できることなら澄み透明にその
きわみでみえなくなることを
ねがい
咲かせ
散ろう

土も泥も根も茎も
葉も
過去も記憶も
悲しみ苦しみ
傷あとも血も
花びらのほかはなにもかも
私とともにけしてただ
ゆきから氷へ
氷から光へ
光から純音へ
きえ散る
花の

微笑みの
静けさ





「 花だけを 」( 了 )

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