零した酒香にまぎれ悪夢から吸われ堕ち
知らず深く夢魔すら沈みこめない
夢の雪ふき黙り果て消えゆく
海の底の底まで
なんて無意味なイミナイことばの
チリくずウソまみれの
海の 雪
なんて美しい
あきれ見とれ
焦がれ惑わされ苛まれ
海面をウエを宇宙の
天界の底を
見あげ
人魚のように無い足の指の先の
流水形指し示す深みのほうへ
髪を尾ひれのように
ただひらひらと
ノロイ悲しく
息をとめ
祈るように
クイアラタメナサイ
つみのないものにまで
なぜジシンを
つみのないものをまでなぜ
ナゲキのナミダの
底の底の淵にまで なぜ
しずかにふかくどうか
息を
吸えますように
呼吸
できますように
ふかくとおい
底のない
海に
雪