高畑耕治の詩


破調の小鳥



一度限りの詩歌の響き
透明音階譜への
飛翔自由律
旋律の
無限曲線

生命一度限りの
悲傷戦慄

おさないおののきなすすべもなく
ありうるままに
いたずらに
生まれたときから
殺されること 意思によらず
さだめられ
生きられるかぎり
生きる
愛せるかぎり
なにも
愛せなくても
愛し
愛す

さやかささやかに
月の光のように
( できるはずなく
 できることなら )

きれいな音
みえない波紋
( ふるわせられたのなら
 いいのに )

天の川のほとり
( 字あまり字たらず
 みにくい白鳥の )



夜空月あかりとおく
あおく澄みわたる




※ 読み 生命: いのち



「 破調の小鳥 」( 了 )

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