高畑耕治の詩


儚い遥かな花



恋人の
愛しい人の
母の
子たちの
こねこわんこの

笑み

かなしみ


あの
かお

息づかい

体温

そばに
あって


その
やるせないおもいだけを

うたに



見えるか見えないかわからないほど
聞こえるか聞こえないかわからないほど
触れられたか触れたかわからないほど

あるかないかわからない
いのちのかなしみの
かすかな風

どこへともなく
澄みのぼりきえてゆく

うたを



あるかないかの
無限の永遠の交わりの
煉獄の地獄のこの天獄の
ひとときに

ひっそりと
ひとらしく
ざんこくな
でもやさしく
きたなさのやみに

きれいな
いちりんの
うたの

花を




※ 読み 愛しい:いとしい



「 儚い遥かな花 」( 了 )

TOPページへ

新しい詩
目次へ

サイトマップへ

© 2010 Kouji Takabatake All rights reserved.
inserted by FC2 system