知らなくてよかったのかもしれない
名前なんてかってにニンゲンがつけたもの
朝はやく窓辺から耳
くすぐってくれるきれいな声
きみの名まえ知りたくなって
出自調べる恋人なんて別れるのがシアワセ
国境なんてニンゲンの飛べない愚かさの檻
つけられた名前も扱いも小鳥きみにすこしも似合わない
画眉鳥
ガチョウのように大きくなくて
飛んで渡れない海を連れてこられて
ペットショップ鳥かごから捨てられてあげくは
害鳥扱い
出自調べるニンゲンなんてサイアクな生きもの
かまわず
うたえ
梢で
ルリルリ澄みのぼる風
朝の光に
溶けて透明な
おしゃべり
小鳥きみのきれいな
歌声
音譜の花
咲き羽ばたき
空へ