夜にはなにもかもすべて
りんどう色に
りんどうの
花言葉のように。
*
りんどうりんどう
どこから
咲きささやいて
くれているの?
夜空色の花びらやわらかに
「 悲しんでいる
不安なあなたを
愛している 」 と
うち寄せる波の
海の音に香り咲き
「 苦しいあなたを
想っている 」 と
*
りんどうりんどう
やさしい
あおむらさき
星空も海も夜さえも
あなた色に染めつつみ
どんなときにも
みすてず
みまもり
そっと
わたしに
歌って
りんどうりんどう
季節はずれにも
いつも
いまも
りんどうりんどう
「 悲しくても
愛されている 」 と
*
花の色の淡さ深みうつろいの
永遠を
学びもしない
愚かな阿呆の獣が
戦争はじめる
花のささやき葉ずれ
かしげふりむく微笑みの
瞬間を
気づけもしない
愚かな阿呆の獣が
戦争やめない
りんどうりんどう
歌いつづけて
りんどうりんどう
ゆらめきつづけて
戦争やまない
いまも
いつも
いつまでも
*
悲しみしるひと
りんどうりんどう
花を愛せる
悲しみにしずんでも
花に
愛される
りんどうりんどう
きれいな
あいむらさき
どこからともなく
どこへともなく
宇宙の遥かな
儚い果てから
うちなびく
りんどうの音色
花言葉に
悲しくても
愛されて
いる
りんどうにりんどうに
愛されて
いる