高畑耕治詩集『愛のうたの絵ほん』


まりものゆらら

ゆらら
もうおやすみ

とおい北のしずかな深い湖に耳をすませば
まりもの子守うたがきこえてきます

ゆららもうおやすみ
まりもはみんなまんまるよ
おさかなの おめめもまんまる
あんまりまるくてつぶれない
だけどとろんと まどろむの
ゆららゆららと ゆめみるの
ゆららもうおやすみ
あかんぼはみんな
まりもです
ゆららゆらゆら ねむります

岸辺のモミの木のうえのお月さまも
まんまるなおっぱいゆらら
白いお乳をそそぎます

星のひかり ゆらららら
海のくらげ ゆららをよぶの
月のひかり ゆらららら
山のすみれ ゆららをよぶの

沈んでゆく夕陽はいつも
さよならゆららさようなら
明日はきっと朝陽が
おはようゆららゆららおはよう

ね ゆらら
もうおやすみ


「 まりものゆらら 」( 了 )

TOPページへ

アンソロジーB
詩の絵ほん 目次へ

詩集『愛のうたの
絵ほん』 目次へ

サイトマップへ

© 2010 Kouji Takabatake All rights reserved.
inserted by FC2 system