高畑耕治の詩


ふいうち



目にみえず
しんしんかなしげに
ないているのは

雪ではなく若葉のさやぎではなく
小鳥でもセミでも
ウイルスでもなく

真白のワンピース姿
歩みさる黒髪の
少女の
真夏の後ろ影
ですらなく

はにかむように
しのびやかな
初秋

ふいのおとずれでした




*読み 真白: ましろ



「 ふいうち 」( 了 )

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