高畑耕治の詩


黒と白、かなかなワルツ


夕焼けオレンジたそがれカナカナ
この日の終わり夜のはじまり
きれいに澄みのぼりやけに
痛いじゃないか

ただただあなたは
うつうつのワルツ
美しく奏でられるふり
せめてしていなさいと

真夏のはじまりこの季節の終わり
黒鍵のふるえ
カナカナ誘う
ノクターン

どうしてそんなに
なきいそぐのかあなたは
生きつくすのか愛しく
詩にいそぐのか
煌めき響き消えてゆくのか

終わりのはじまり
しずけさへ

黒 白 黒 白 黒 白 黒 白
(息)
黒 白 黒 黒 黒 黒 黒 白
白 白 白

クロ シロ クロ シロ クロ シロ クロ シロ
(息)
クロ シロ クロ クロ クロ クロ クロ シロ
シロ シロ シロ

曲の終わりまぎわ初めて思いしる
愛したのでしたあなたを 愛し
あいたかったのでした
あなたと

黒 白 黒 黒 黒 黒 クロ シロ
(息をせず
 休むことなくつづけて)
クロ シロ クロ シロ クロ クロ クロ クロ
カナ カナ カナ カナ かな かな かな 愛




*読み 黒鍵: こっけん。誘う: いざなう。
愛しく: かなしく。煌めき: きらめき。
黒: くろ。白: しろ。
かな 愛: かな かな。

*参照 かなかな:ひぐらし、セミ。その鳴き声。
ノクターン: 夜想曲。



「 黒と白、かなかなワルツ 」( 了 )

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