コロナにいじめられないよう
白いマスクにちいさな顔じゅう
おおわれても
おおきな声で
モンシロチョウチョのように
もつれあい舞い込んできて
子どもたち
おとこのこ
「 あのね、あのね 」
おんなのこ
「 ゆきー、ゆきー 」
おとこのこ
「 そうだよ、あのね 」
おんなのこ
「 ゆきー、サンセイチくらい、
こんなおおきな、ゆきー 」
そんなにおおきな、
そうか、
そうだ、
純粋な目
くもりない瞳に
ゆきもふくらむ
ゆめにひらかれひろがる
こころに
かがやきまぶしく
ふくらんでくれる
もうサンミリにもぼくには
なってくれないけれど
ゆき
若かったあの日の母の
まっ白な微笑み越しに
乳母車からみあげた
生まれて初めての
ゆき
サンメートルよりも
もっとずっとおおきく
なってくれた
優しい
ゆき
思い出したよ
おんなのこおとこのこ
ゆきもきみの目
ゆめが
好き
きらきらしてる