高畑耕治の詩


純粋律



胸苦しさに流しこむ音色に染められこころうすれ
ピアノ色にきえてゆければよいのに

好きなひとの歌声に染められくりかえし鼓動
ふるえたのは遠いむかし

激しくかき鳴らす弦の響きの高鳴りに息苦しさ
かき消せたのはもうむかし

声も音色も悲しみもろともうすれあそこまで
とおくたかくゆければよいのに

どのような歌声泣き声でも
音符のリズムうきしずむ旋律でも
もうかまいませんから

息つぎうまくできなくても
流されのまれうすれてゆける
海の波まの
星夜の
純粋

いつか
おとずれてくださいますように




*読み 音色:ねいろ。 ピアノ色: ぴあのいろ。



「 純粋律 」( 了 )

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