真昼間真夏の陽射しも
つかのまの
晩夏
いつのまにか澄みきる黄のひかり
瞳に染みいり
息づく初秋
季節きえ果てるまでセミ悲しみの
挽歌
夏草かげにりりりりせつなく
相聞歌
みあげる子猫の
虹彩の
水面
澄みやどる月
深まる黄のひかりに
洗われ染められ
すくいあげられ
どこか
とおくへゆきたいと
コロナにも人間にもむしばまれたこの星の夜に
彩られ
色づき
ふくらんでゆけ
肌色の
あかみの
ひと、生きものの
息づかいする
たおやかな
秋に