高畑耕治の詩


ねむの羽



明けないコロナの長梅雨にも
鳴き始め。
せみ。
この、夏眩しく。

「 待っていたの 」 と

そばで
梢で
うちしめり
咲き残り
清く白
淡く紅の

うちふるわせ

ないている
愛しい
ねむの木の花




* ふりがな 長梅雨: ながつゆ。紅: くれない。愛しい: かなしい。



「 ねむの羽 」( 了 )

TOPページへ

純心花
目次へ

サイトマップへ

© 2010 Kouji Takabatake All rights reserved.
inserted by FC2 system