高畑耕治の詩


ななめに結んで



 おめめ


ほらあそこあの枝さき
目を閉じた夜空の星たち
とおくあおぎみて
無数の

瞳ひらこうと
まぶたのまるみ
膨らみ

つぐみのおなかのように
めじろのおめめのように
まあるくかわいい

つぼみ
つぼみ
つぼみ



 ゆびの花


ももの花色の上着の
腕を
青空のほうへ
ななめうえへ
上げて

ななめ下におりてくる
手に小さな手を
つないで

小鳥なく空みあげ
元気な声で話して
きれいなさえずり
ふりそそいでくる
お母さんの
声に耳たぶ
くすぐられて

おんなの子
弾んで歩いた
この道きっと
忘れない


握り握りしめられ
まあるく結んだ
ゆびとゆび

真冬の寒さにも
ふくらんだ
つぼみの
こぶしの
並木道

手のひら
白い花
さえずるように
咲きますように





「 ななめに結んで 」( 了 )

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