高畑耕治の詩


いつの日か星に結ばれる歌



 土のうえ


重力の地の
喜怒哀楽の囚われの身と知りつつ
阿鼻叫喚の悲痛悲鳴悲壮に感情神経を
うちから
傷め蝕み責め滅ぼさないこと

なんにもみえないきこえない

地べた這い
ともに浮かびさまよい嘆きつつ
暗黒沈黙にこそ
結ばれる
星の音楽を
星座を

恋い
あおぐことだけは
忘れないこと



 星と


恋する人の
よろこびに
星はまたたく

果てのない
人の悲しみの
夜空に

星はかがやく



 


こんや夜空の
星たちの
あの静かな音楽は

ことばをおぼえるまえのおさなごの
ちいさなくちびるの
泉から
あああああふれでる
あのやわらかな
きよらな
声の

滴のように
沁みて

いとおしくとても
かなしい




*ふりがな 阿鼻叫喚: あびきょうかん。



「 いつの日か星に結ばれる歌 」( 了 )

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