夏の終わりの透明な夕焼けの
ヒグラシのせつなさの音色に
彩られ
みどりの草原の点描画
遅咲きの今年も
咲きゆれる
白ゆりたち
のらねこ子ねこに
子わんこに
かなかなに
ひとにも
ささやいています
「 わたしの白い花びらに
なりやどる
とおいとおいむかしの
ねこ
みどりのつぼみに
なりやどる
とおいとおいむかしの
わんこ
わたしのたかいくきに
なりやどる
とおいとおいむかしの
ヒグラシかなかな
わたしの根に
なりやどる
とおいとおいむかしの
ひと
わたしの球根に
なりやどり… 」
汚される地にも
咲きやまない無数の
生きもの
いのちの
花
壊されてもまた
めばえ空へ
のびてゆき
うつむくつぼみ
やがてふくらみ
いま
花
できることなら
いつかまた
星の花の
球魂に
あなたとやどり
咲けますように