高畑耕治の詩


かなしみのツリー



あふれ零れ落ち土に沁み消えてゆき
押し殺されようとした無言の
涙の


夜の闇に凍え氷りつくしかなくても
なぜかいつかやがて静かに
結ばれ
ほんのすこしずつ
浮かび

夜明けのひかり
まばゆくふりそそげば
輝く霜柱
祈りの
樹氷

地にも
愛しみの
クリスマスツリー



 こだま


曙光を透かし
仰げば

星たちと銀河の
宇宙樹氷




*ふりがな 愛しみ :かなしみ。曙光 :しょこう。宇宙樹氷:コスモスツリー。



「 かなしみのツリー 」( 了 )

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