高畑耕治の詩


かなしい立葵



夕顔では
いいえ
ありません

あわく
そこはかとなくぴんくにうっすら
はにかみはじらっていても

ふりむかずともこの背の
遥かから
透かされ
染めあげられ
あふれるひかりの輪に
ふちどられるこの
愛しい瞬間にも

いとおしくても
地の花

溶けて
夕陽には
いいえ
なれません



 こだま


いちりんいちりん
紡がれたひかりの輪の
なつかしい香り

どこかに置き忘れた祝福の
歓びのブーケ
棺に埋めてくれるやすらぎの
白ゆりの乳房
遠いお別れの世界
うつつ幻の
光背

どれもこれも
痛く

落ちこぼれて
めくるめく花びらの輪に
結ばれてゆきました




*ふりがな 立葵:タチアオイ。愛しい: かなしい。埋めて: うずめて。



「 かなしい立葵 」( 了 )

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