悪人がいる。
優しい人もいる。
いつの時代にも。
星のうえどの地にも、
どの民族、国家、宗教者、信者、組織所属者にも。
まだらに。
多数派という虚構の境界線、壁に、隠されがちな、
優しい心を見失わず、見つけられるよう、
少しずつでも。
できること、したいことを。
想いつつけずにいられないひと
不意に襲われた見知らないひとどうしても
見捨てられずおそれをふみこえ
助けようと自らの
痛みのうちに
いのちおとしてしまったひと
こころ生きていた
もう語らない
ひとのおこない
忘れずいつも想っている
危険を避け逃げるのは
生き物の定められた生きざま
なのにあえて
逆を生きて
ひと
神様でも仏でも菩薩でもないのに
ただのふつうの優しい
こころの
ひとだったろうに
想いつつけずにはいられない