高畑耕治の詩


落ち葉とすずめと



ふりしきりふりつもりしきつめて
道もみえない枯れ葉ゆき景色

みみもあからむ冬の日
歩きはじめたばかりの
おさなごがなんどまえのめりに手をついてもこけても
やわらかなここは木の葉の道
おかあさんのはだのセピアいろ
なだらかにふくらみつづく落ち葉の道
おおきくくちをあけてああああよろこびの
かた言の葉で
木々と小鳥と話して
歩んでゆく道

舞いおりて
まあるいすずめたち
葉っぱに埋もれそう
弾んで影踏みあそび
ひなたぼっこ
ちゅんちょこかくれんぼ
道草しながら
ゆきたいほうへ
あんまりすすめなくても

あおい花も紅葉の虹もどんぐりも
あなたのなつかしい息もなんにも
優しい落ち葉のどこにもみつからなくても

春と夏と秋のまだらな記憶
あしのうらにまばらにかんじて
すずめとゆこう
生きたいほうへ
冬の
ひかりの木の葉まばゆくさやぐ道
とべる羽はなくても




*ふりがな 木の葉: このは



「 落ち葉とすずめと 」( 了 )

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