高畑耕治の詩


ピアノ銀河の実



このピアノの音は
あの天の川の音
おんぷ浮かび沈み
泡だちしぶきあげて
めぐる銀河の
おおきな腕にまで
旋律なつかしく
流れ込んでゆくよ

ひとは武器を作り売る愚かな獣
けれど楽器を創り奏で歌える生きもの

闇と光のピアノの鍵盤おどれば
天の川らせんの渦
きらめき巻きあがり
星の音美しく
生まれては消えるよ

小川のほとり
秋の光に照り映えつらなる
ムラサキシキブの実
かわいいつぶらな星の川も
風と水と葉の緑と
さやぎせせらぎ
夜空いろ淡く
ゆらら歌うよ

ひとのこころの音は
宇宙ピアノの
なりやまない
あなたへの
愛しい音




*ふりがな 音: おと。愛しい: かなしい。



「 ピアノ銀河の実 」( 了 )

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