秋の葉木もれ日こんなに優しい
なんのせい?
気まぐれ虹いろ塗り跳ねあそぶ
葉精のせい
みどり黄みどり黄いろ紫
朱いろこげ茶くれない
まばゆいまんだら
染みてかなしい
なんのせい?
かろやかな秋風ひらら
ひるがえり逃げさってゆく
きみのおもかげのせい
かなかな鈴虫こおろぎのなきがらの
無言歌のせい
すすきの穂も愛の記憶にふるる
秋の旋律
静ひつ
なんのせい?
山鳩枯れ葉ふむあし音のせい
おちてはずんでころがり
かくれてしまうはずかしがりやの
どんぐりのせい
のらねこ子ねこの瞳も
そっくり木の実
みつけあいみつめあい
ころろ
秋いろ野原おだやか
なんのせい?
山すそまでお母さんと赤んぼの
肌いろあからむせい
お空もやわらか
夕やけもみじ
くるしくつらいのは
ぼくのせいでもあるけれど
あんまりおかしな世の中のせい
さみしくかなしいのは秋いろのせい
きっとそのせい
虹いろもみじに
こころも小鈴
ゆらら枝葉にひき結び
きれいな髪飾りを
きみに