高畑耕治の詩


風の音(おと)



助けられ死なずに
生きていま

( 風の音に )

生きづらさの

( すだれうごかし )

ひとの花

ふるえることばを



  反歌


秋の風ばかり吹きぬける




*ふりがな 風の音: かぜのおと
*本歌:
秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
( 古今集・藤原敏行 )
君待つとあが恋ひをればわが宿のすだれうごかし秋の風吹く
( 万葉集・額田王 )



「 風の音(おと) 」( 了 )

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