高畑耕治の詩


激しすぎる雨の夜にも



ゆうひは満月のよう地平線にゆらめき
お月さまはゆうひのようにまあるくなろうと
ひかれあいよびあい
ひかりかがやき

天の川のささ波の葉の星ぼしも
川岸のふたりも
短冊の赤い星かざり青い星かざりみつめ
ささめいています

「 天上の雨
 地上の異常な雨どうか
 やみしずまりますように 」

ひこ星からの響きなのか
おりひめさまのしらべなのか
神さまの無情な怒号ではないから
わたしにもききとれるのでしょうか?

「 ねがわずにはいられなくて
  ねがうこと
   わたしにもできる
 祈らずにはいられなくて
  祈ること
   わたしにもできる
 愛さずにはいられなくて
  愛すること
   わたしにもできる

 激しすぎる雨の夜にも 」

荒波のしぶきに天の川の星ぼしも
うかびしずみ
かきけされないよう
さざ波の葉にしがみつくばかりのよう

「 なにもしてあげられなくて
  かなしみおもうこと
   わたしにもできる
 できることしかできなくて
  できるわずかなこと
   わたしにもできる

 濁流にちかづけなくても
 非情な無言にうたれても 」





「 激しすぎる雨の夜にも 」( 了 )

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