高畑耕治の詩


海おんな



あんまり単調で退屈な
くり返す無限の
波のうたうち寄せる磯かげには

ひっそりぬれるフジツボ
うす紫の藤壺のように
黒髪の海草の
美しい海おんな
乳房かくすなつかしい後ろ姿

ふりむくと
砕け
しぶきあげ
花びら
散る




*参照 藤壺: 『源氏物語』の女性



「 海おんな 」( 了 )

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