高畑耕治の詩


望みの、朔



夕空白い欠けら
三日月

失望という悲しい言葉
もらすときでさえ
望みをひとは
知っている

絶望の

新月ですら
望みの
始まり

もろともに
滅亡にひきこみたがる
盲目の群れにもひとは
いる

かげりまだ幻の
望月

望むひとのひとりで
いよう

夜空欠けてさやかに
三日月




*ふりがな 朔: さく(新月の天文用語)。望月:もちづき。



「 望みの、朔 」( 了 )

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