高畑耕治の詩


秋、悲しみのうた



  どんぐり


秋空どんぐりと
ころんとしていたい



  まんじゅしゃげ


まんじゅしゃげ朱色
なぜ悲し
彼岸花あかあか
なぜ悲し
好きなのに

なぜ悲し



  そよ風


あなたの真っ青な夏空の
青春も恋の季節ももう
終わりましたと

そよ風だけは隠さず
教えてくれました

さらされ肌さむくさみしくひとり



  アルバム


明るい午後の日射しも
なにやら黄昏セピアいろ

アルバムに思い出
閉じなさいと
ふるぼけた追憶の写真に
ありのままなりなさい
季節うけいれなさいと

そよ風に
そっと促され
こころの葉かさこそ

枯れながらなつかしいろの
ひかり
秋の
祈りに世界
染まれ



  天の川


秋のせせらぎ虫の音に
天の川の波間さまよう




* ルビ 朱いろ: しゅいろ



「 秋、悲しみのうた (・どんぐり ・まんじゅしゃげ ・そよ風 ・アルバム ・天の川) 」( 了 )

TOPページへ

銀河、ふりしきる
目次へ

サイトマップへ

© 2010 Kouji Takabatake All rights reserved.
inserted by FC2 system