高畑耕治の詩


今、永遠



今にしがみつきあがかないものに、
永遠なんてみえない。

永遠を恋わずにいられるものの今は、
動物としての、
死ぬまでの懸命な、
惰性。
誰も責めることなんてできないから、
いのち、
とても悲しい。
生まれたのだから、すこしは、
ひと、
薫らせ、
わたしはありたい。

今、
永遠。

美しい言葉の、
抽象画よりも。

母の子宮に宿され、守られ、
生まれ出て、守られ、
育てられた、
いちどかぎりの時間をこそ、
感じ、
大切に、
わたしにできうるかぎり生きましたと、
母に、
報告できたなら、

ずっと、
眠りたい。





「 今、永遠 」( 了 )

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