高畑耕治『死と生の交わり』


ひとりであること


他者のために生きているつもりでいる 死んだ自分を殺せ
あのひとを悲しませないために生きているとぬかす 自分を殺せ
あのひとを悲しませないために死ねないなどとぬかす
死の汚臭にまみれ生きるふりをする 自分を殺せ

何のために生きるのか
なぜ生きるのか
問いに答えるものが
沈黙でしかなくても
その声を胸のなかで響かせ続け
その声で胸を痛めつづけずにはいられない 自分を生きたい



「 ひとりであること 」( 了 )

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『死と生の交わり』
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